藍青

〜晴れ時々日記〜 SHOがつづる短歌、旅行などなどの日記です。
香川県に住んでいるバイク好きです。愛車ヤマハYZF-R6の話も、書いていきます。
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スローキャリアについて
スローキャリア
スローキャリア
高橋 俊介

先ほどの記事の中で、「スローキャリア」という言葉が出たので、慶應義塾大学大学院教授の
高橋俊介が書いた『スローキャリア』という本を紹介する。私自身の価値観がスローキャリア志向で
あると書いたが、スローキャリアとはどのようなものか、どのような価値観を持ち、どのような
社会を実現していくことがスローキャリアなのか、と言うことがこの本には書いてある。

『スローキャリア』には「上昇志向が強くない人のための生き方論」という副題がついている。私はまさしく
そうで、お金や権力、社会的地位というものは欲しいと思うし、とても大事に思ってもいるけれど、それが
人生の幸せの全てではない、と思っている。

過労死の問題が叫ばれつつも、日本では依然としてワーカホリックが社会人のあるべき姿として持て
はやされているように見える。多くの人が不満に思いながらも実際にはちっとも社会が変わっていない、
と言うのは、無意識のうちに社会人の多くはワーカホリックを社会人のあるべき姿であると感じ、それを
望んでいるからだと私は考える。痛いことだけど、深層心理で望んでいることしか現実化はしないのだ
そうだ。だから、おそらく日本人の多くは深層心理でワーカホリックであることを望んでいると言っていい。
スローキャリアは、欧米でも1990年半ばから新たに提唱された、新しいキャリアの考え方だという。
キャリアとはなんだろう?この本は、「上昇志向が強くない人にとっての自律的キャリア形成」と
いうことがテーマになっている。社内での出世志向よりも、自身の求めるキャリアのあり方により
忠実であろうとする人材、上昇志向は強くないが、良い仕事をするプロフェッショナルであろうと
する人材こそがスローキャリア志向の人材なのである。

著者は、スローキャリアのポリシーとして、次の7つのポリシーを挙げている。著者の言葉は少し私には
分かりにくかったので、一部のポリシーは私なりに翻訳して書くことにする。
1、根源的な自分の働く動機や価値観へのこだわり
2、変化への柔軟な対応と経験からの学習
3、出世や収入、企業のブランドを物差しにするのではなく、自分らしいキャリアの質の向上を目指す
4、仕事と生活の割合、仕事の種類や収入の多少を人生のフェーズによって使い分ける
5、損益分岐点の低いライフスタイル
6、組織と対等で潔い関係
7、一消費者、一投資家として、スローキャリア社会の実現を考えて行動する

今回、私はとりあえずボイラー技士で就職することにしたのだけれど、過重な負担を身体が許さないと
いう事情があるにしろ、今回のキャリアチェンジ(航海士からボイラー技士へ)は「技術者である」
「当直業務のプロフェッショナルである」という点で、自分らしいキャリアであろうと考えている。
働き出したらまた違った点も見えてくると思うけれど、それは見えてきた時点で修正するつもりだ。

「自然の豊かな環境で生きる」と言うのも、私自身の価値観の中で大事なポリシーのひとつだ。私にとって、
それは都会とのかなりの給料差をもっても余るほどの重要なポイントなのである。見方によっては、
私は都会で働くことを身体が許さないほどに、大都会で働くことが心底から嫌いだとも言える。大都会で
働けない身体である、というのは、大都会で働くことを無意識が嫌っているからだとも言えるのだ。

また、この本の中では、日本を代表する14の企業の2400名の社員を対象に行ったキャリアに関する
意識調査から、やりがいや充実感と相関関係が高かった質問を10項目選び、傾向の似通ったものを
グルーピングしている。こんな内容である。

第一因子〜主体的なジョブデザイン行動
1、自分の価値観やポリシーを持って仕事に取り組んでいる。
2、社会の変化、ビジネス動向などについて、自分なりの見解を
 持っている。
3、部署・チームを超えて、積極的に周囲の人を巻き込みながら
 仕事をしている。
4、仕事の進め方や企画を立てる際、いままでの延長線上にある
 やり方ではなく、常に自分なりの発想で取り組んでいる。
5、自分の満足度を高めるように、仕事のやり方を工夫している。

第二因子〜ネットワーク行動
6、新しいネットワークづくりに常に取り組んでいる。
7、自分のネットワークを構成する個々人が、どんなニーズを持って
 いるかを把握し、それに応えようとしている。
8、自分の問題意識や考えを、社内外のキーパーソンに共有して
 もらうようにしている。

第三因子〜スキル開発行動
9、今後どのようなスキルを開発していくか、具体的なアクション
 プランを持っている。
10、スキル、能力開発のための自己投資をしている。

また、「身につけたスキルはすぐに仕事などで使うべき、自分のスキルが陳腐化したと感じたら、
これを身につけるために何年かかった、これだけの経験を重ねてきたのだということにこだわりたい
気持ちを、勇気を持って断ち切り、新しいスキルを獲得することを目指すべきだ」とも書かれてある。
特に、私のように長期間離職していた人間にとっては重要なポイントであろう。

仕事のスキルには、長期間離職していようと陳腐化しないエッセンスのようなものと、離職すればただちに
劣ってしまう表面的な技能とがある。私は「当直業務に就け」「外国人を指揮する仕事をしろ」と言われれば
今でもすぐできると思うが、今になって「大型船を操船しろ」と言われても、たぶんできないのだ。だから、
陸上で新たに当直業務に就くための技能を、かつての職能の周辺技能から開発したのである。

今回、久しぶりにこの本を読み返していて、就職面接で私が会社に何を訊ねたいかの確認作業になっている。

受ける会社がどのような企業ポリシーを持つ会社なのか、私はホームページで確認したのだけれど、
当直業務のプロフェッショナルとして、そしてボイラー技士という技術者として、会社のポリシーと、
お客様に快適な時間と空間を提供することに、どのように私が寄与できるのかを面接で訴える必要がある。
逆に会社に対しては、ホームページに書いてある企業理念に対して、現場がどのようにポリシーを
理解しているのか訊ねる必要がある。会社が私を選ぶだけではなく、私も会社を選考するのだ。

草津だったらどこでもいい、という志望動機であれば、それ相応の会社しか採ってくれないだろう。
私が就職面接官なら、草津ならどこでもいいボイラー技士など必要ないからだ。ハローワークの話では、
この会社はすでにハローワークから紹介された人材をひとり落としていると言う。おそらくまともな
選考をする会社なのだ。こちらもプロとして、相応の面接準備をして当たる必要がある。

また、この本の中ではスローキャリアを歩むための節目の判断として、「支配欲の強い会社は危険」
「上昇志向をあおる会社に入ると第二市民になってしまう」「マニュアル型組織では自分らしさを
発揮できない」と警告している。そして、スローキャリアカンパニーの特徴を以下に列記している。

1、序列が少なく開放的で多様性がある
2、商品やサービス、戦略などに質的こだわりがある
3、自己裁量度が高く、成果を問われるマネジメントスタイル
4、行動指針やコンプライアンス(法令遵守)がはっきりしていて守られている。
5、キャリア自律への健全なプレッシャーがある
6、採用時に、働く価値観や組織ビジョンをはっきりする
7、自律的キャリア形成への具体的な取り組みがある

つまり、私が会社に質問しなければいけないことは、こんなことだろうか。
1、会社のポリシーを、現場としてはどのように受け止め、どのように実践しようと考えているのか
2、お客様にポリシー通りの快適な時間と空間を提供するために、社員には人生に対してどのような
 価値観で働いて欲しいと考えているのか。
3、社員が自分で何か資格や職能を身につけようとすることに、会社として何か支援していることはあるか
4、将来的な社員の職種転換の可能性については、どのようなビジョンをお持ちか

だんだん、父の心配が当たっているような気がしてきた…。こんな質問をする現地採用職員って、
もしかすると会社にとっては、使い捨てのボイラー技士として募集しているのなら私はオーバースペック
かもしれないのだ。草津には目下これ以上の会社が見当たらないし、何としてもここで就職を決めたいと
思っているのだが…。もう少し、会社の姿勢についていろいろ調べてみる必要がありそうだ。

会社には、できれば大きな拾い物をしていると思って欲しい。実際にどうなるかは分からないとしても、
私は、就職するならできれば同じ会社で長く働きたいと思っている。ボイラー技士という仕事は長野県では
ほとんど今はない。資格の必要ない小規模ボイラーに取り替えつつあるからだ。つまり、ボイラー技士で
就職すると言っても、将来的な職種転換を視野に入れた上での就職にしないと将来の上がり目がない
のである。だからこそ、自律的にキャリアを身につけることに好意的な企業なのか、将来的な社内での
職種転換を考えているのかどうかが大事なのだ。

私は今のところ当直業務や運転管理のプロだけれど、将来的に見た場合、自動化が進めばこの仕事は
なくなる可能性が高い。今は他に職能を持っていないのでこの仕事に就くつもりだけど、短期的には
仕事にベストを尽くして速く仕事を覚えることが先決だけれど、仕事がある程度身に付いたら、今度は
近い将来に予測されるべき職種転換に備えることを今から頭の隅に入れておくべきなのだ。

今思うと、履歴書は4回も間違えて良かったと思う。履歴書の記述に、改めて見ると一ヶ所重大な欠陥が
あった。「私が採用担当者なら、草津ならどこでもいいボイラー技士など必要ない。」と自分で言った通り、
志望動機がいい加減だったのである。
| SHO | 再就職 | 01:37 | comments(2) | trackbacks(0) |

コメント
西村君、お元気そうですね。なによりです。
久しぶりにサイトを覗きました。僕はその書籍を読んでいないので口を挟むのははばかられるのですが、あくまでも一般論と言う前提で述べれば、深層心理にワーカホリック願望などなく、何も考えていない、というのが恐らく実態です。そんな高級な深層心理を持った生物は昭和の時代に大半が絶滅してしまいました。
考えていない、という表現が適切でなければ「考えることをやめた」というべきか。「やめた」という表現も違うなあ、そこには意思が介在するわけですから、事実はもっと消極的というか受身というか、やはり考えていない、というのがピタリときます。

さて、それにしても相変わらず西村くんの自分自身に向きあう姿勢、好感が持てます。君のような若者(少なくとも僕よりは実年齢は若い)が存在しているという事実は、ときとしてこの国の未来に絶望感しか抱けなくなりそうな僕にとっての一点の光明です。
| 山村雅康 | 2005/12/03 8:45 PM |

山村さん、こんばんは。コメントありがとうございます。

何も考えていない、というのは、つまり「自分はどのようなポリシーと価値観で生きていたいのか」と言う課題を意識化していないということだと思います。感じる意識に蓋をしてしてしまっている、と言ってもいいですが、そうなるのにはそれぞれ仕方のない事情があったのだろう、と私は思うので、この国の未来を決して悲観してはいません。痛みを感じることは多いですが、歴史は少しずつ前に進んでいると私は思います。

自分の価値観やポリシーに対して、意識を持って主体的に行動することが、自分の価値観やポリシーに沿って生きることにつながると思います。オートマチックに流されて生きている限り、悲しむべき現状はなかなか改善されません。「誰か私の機嫌を取って!」と受動的に状況が改善される可能性を待つのは、限られた人生の時間の中であまりに分が悪いのです。

幸せになりたければ、幸せになるための行動を起こすことがまず第一歩だし、一番の近道なのです。幸せになるためには、人生のどこにフォーカスすればいいのかにまず気づかないといけません。気づくためには、行動して気づきを求めなければいけないし、その過程で私はさまざまのことを許すことを覚えたのです。

とは言っても、最後の最後は私は幸運だったと思うのですけどね。ラッキーなことがたくさんありました。山村さんとの出会いも、私はその大切で重要なひとつだと思っています。
| にしむら | 2005/12/03 10:41 PM |

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