藍青

〜晴れ時々日記〜 SHOがつづる短歌、旅行などなどの日記です。
香川県に住んでいるバイク好きです。愛車ヤマハYZF-R6の話も、書いていきます。
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『修験道っておもしろい!』
数日前から、書店に行っては買おうか買うまいか悩んでいた(いつも
このパターンですが)『修験道っておもしろい!(田中利典著、白馬社)』を
ついに買ってきました。1ヶ月ほど前にご紹介した『はじめての修験道』と
ほぼ同時に発売されたエッセイ集です。

エッセイ集と書きましたが、正確にはエッセイだけの本ではありません。
前半は修験道修行の魅力や現在における修験道の存在意義と今後の展望が
書かれていて、後半に著者のエッセイとお葬式についての考えが書かれて
います。巻末には吉野山の金峯山寺の修行のうち、一般参加が可能なものに
ついての案内が付録でついています。

『はじめての修験道』の好調な売れ行きに対して『修験道っておもしろい!』
の売れ行きはそれほど良くないと聞いています。ただ単に中身の問題と
言ってしまえばそれまでですが、私は少し違う見方をしています。

両者は内容が重なる部分があるため、修験道に対して相当の興味を持って
いる人以外には、『はじめての修験道』と『修験道っておもしろい!』の
両方を買うことは勧めません。あえてどちらか一冊をと言われれば、
間違いなく『はじめての修験道』がおすすめです。成り立ちと教義について
系統立てて書かれており、修行に参加するための付録資料もこちらの方が
はるかに充実しているからです。修験道と言う宗教の概要を手っ取り早く
正確に知ることが目的であれば、『修験道っておもしろい!』は『はじめての
修験道』ほど親切に大量の情報を系統立てて書かれてはいないのです。

ただし、『修験道っておもしろい!』が面白くない本かと言われれば、
そういうわけではありません。修験道に関する多くの情報を知る
ことが目的でなければ、この本もまた面白い本です。

『はじめての修験道』は、かなり気合いの入った本です。ページの文面から
「修験道について、より多くの人にその実際の姿を知ってもらうぞ」と言う
雰囲気が伝わってくるのです。だから初学者が情報集めのために読むには
いいと思いますが、肩の力を抜いて読める本かと言うと、決してそんな内容
ではありません。文章そのものは努めて平易に書かれていますが、通勤電車の
車内で読む本ではあってもフィットネスクラブでエアロバイクを漕ぎながら
読む本ではないのです。

その点、布団に寝っ転がりながら修験者の素直な心情を赤裸々に綴ったものを
読みたい、と言うことであれば『修験道っておもしろい!』の方がいいと言うことに
なります。

両者の売り上げの差は、修験道に対する一般の方のスタンスの違いでは
ないかと私は推測しています。今の時点では、修験道について「知らない」
と言う人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。そして「正確に、
ちゃんとした情報をより多く知りたい」と言う目的には『はじめての修験道』
の方が向いていると私は思うのです。

ある程度、修験道に関する本を読み漁り始めたら、今度は少し肩の力を抜いた
もの、山伏の実際の生活や素直な心情について書かれたもの、また、特に
奥駆についてその全区間踏破の実際を知ることのできるもの、と言う選択肢が
出てきます。その時に初めて『修験道っておもしろい!』の価値が出てくる
のではないでしょうか。

まだ、修験道に対する世論はそこまで成熟していないのだろうし、仮に成熟
しても、今度は五條順教さんの「修験道のこころ」などと読者対象が重なる
ことになります。そうなった時に比較されると、この本は内容が多岐に
渡っていてまとまりがない分、あらゆる切り口で修験道の教えを分かりやすく
説くことに専念した本よりも評価が下がることはあると思います。

『はじめての修験道』と『修験道っておもしろい!』の両者は、ひとつの
実体の表と裏のように見えます。もちろん、『はじめての修験道』が表で
『修験道っておもしろい!』が裏です。どちらがいいとか悪いとかでは
なく、両者が実は支え合っているように見えるのは私の身びいきでしょうか。
| SHO | 修験道 | 01:07 | comments(5) | trackbacks(0) |

コメント
コメント、と言えるのか定かではありませんしご存知かもしれませんが、世田谷美術館で「吉野・熊野・高野の名宝」展なるものが開催されているとの事です。
入場した途端、像高4メートル超の蔵王権現立像が出迎えてくれるという目撃譚もありますし、お出かけになってみたらいかがでしょうか。
| 九段 | 2004/12/18 12:17 PM |

九段さん、こんばんは。ご無沙汰しています。
ご訪問ありがとうございます。

世田谷美術館の展覧会、ぜひ行きたいと思っていたところ
でした。お知らせ頂きありがとうございます。

世田谷美術館で展示されている蔵王権現の立像は、吉野の
金峯山寺蔵王堂内にあるものと同じなのかどうか・・・
よく分かりません。7月時点で蔵王堂内に安置されていた
ものであれば、見たことがあると思うのですが、記憶が
不確かです。

ぜひ、出かけたいですね。その折りには、日記にも展覧会の
感想を書きたいと思います。

| 西村一人 | 2004/12/19 12:01 AM |

 西村さん、『修験道っておもしろい!』をホントにちゃんと読んで頂いて、ありがとうございます。

 細やかな感想を頂戴していて恐縮です。しかも内容をものすごく的確に捉えて頂いていて、それでいて著者に対して慈悲ぶかい過分な嬉しい文章でした。本当にありがとうございます。

 あの本は今まで10年ほど書きためたモノを、白馬社の西村…なぜか同じ名字??…さんが、編集して本にしてもらったもので、新作は3編だけです。千座護摩は写真提供の藤田氏が書け!って命令されたので書き下ろしました。

 で、なんどか編集し直して最終はああいう本となりましたが、小生自身は前半部分は正木さんとの共著の部分と重なり合うので、後半の自分自身のつぶやきのところがあの本の中心だと思っています。

 修験道自体に興味がある方はじめての修験道を、僕自身に興味のある方は修験道っておもしろい!のお勧めしています。講演では両方買って下さいと一応いっていますが…。

 ホントに重ね重ね有り難うございました。

 追伸

 世田谷美術館の「祈りの道」展ですが、どうも客足がイマイチで心配です。世界遺産登録行事の一貫としてNHKを口説いて3年前から準備をした、小生企画の展覧会です。なんとか成功して欲しいのですが…。
 大阪展では38日で20万人を集めたのですから内容的には申し分ないのですが、世田谷美術館が少し不便なことと、肝心のNHKが不祥事につき謝ってばっかりで元気がありません。残念です。昨日で開催から一ヶ月ですが、27000人という不入り・・・正月3ヶ日も開館予定ですし、これからが正念場です。是非お越し下さい。
| 吉野山人 | 2004/12/21 11:57 AM |

追伸の追伸

○世田谷美術館で展示されている蔵王権現の立像は、吉野の
金峯山寺蔵王堂内にあるものと同じなのかどうか・・・
よく分かりません。7月時点で蔵王堂内に安置されていた
ものであれば、見たことがあると思うのですが、記憶が
不確かです。

 →蔵王堂では平成14年秋にあの権現さんは搬出して修理に出していましたので、ここ3年はありませんでした。今回の展覧会に併せての解体大修理で、約7300万円をかけています。目玉展覧像ですのでご期待下さい。8月には大阪展で初お目見え、今回の東京展が外での見納めになると思います。蔵王堂には1月末に帰山予定です。

| 吉野山人 | 2004/12/21 4:34 PM |

吉野山人さま

コメントを頂きまして恐縮です。
千座護摩の項目も読ませて頂きました。『はじめての修験道』に
通じる内容とは言いながら、私は前半の方をよく読み返しています。
特に、私は奥駈に参加したことがありませんので、そういう結果に
なるのですけれど、前半もそう捨てたものではありません。

世田谷美術館の「祈りの道」展は、千葉県内からは行くのが
大変と
言うこともあってまだ行っていません。でも、何とか行きたいと
思っています。お噂の金剛蔵王権現像も、楽しみにしています。

| 西村一人 | 2004/12/22 11:55 PM |

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