藍青

〜晴れ時々日記〜 SHOがつづる短歌、旅行などなどの日記です。
香川県に住んでいるバイク好きです。愛車ヤマハYZF-R6の話も、書いていきます。
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イスラエル船の心痛を推し量る
昨日の記事について、一日考えていた。

もし自分の操船で衝突させたとして、今、漁船と衝突した大型コンテナ船の乗組員や船長はどれほど
やりきれない気持ちで過ごしているだろう。いかなる理由があろうとも、自分の操船で7人の人命を
奪ったことは事実なのだ。彼らが善良な船乗りなら、一生悔やんでも悔やみきれない出来事に違いない。

しかし、今まで入った事故情況だけから推測して、大型コンテナ船にはどんな回避の方法があっただろう。

VHFと言う無線で連絡を取ったのだろうか。しかし、沿岸漁業の漁船の乗組員がいきなり英語で呼び出された
として、とっさに漁船乗組員に英語が理解できたとも考えにくい。沿岸漁業の乗組員にとっさの英語が
理解できるのだろうか。

事故当時は深夜だったが、風も波もなく、視界は良好だったと言う。VHFで呼びかける以外に、緊急時の
連絡方法として汽笛を鳴らすと言う方法がある。これも警笛目的の他に、汽笛の短音の組み合わせで
本船の操舵方向を知らせられるよう、汽笛の吹鳴方法が海上衝突予防法で決まっている。しかしレーダー
の追跡画像の報道を読む限り、南東に向かう大型コンテナ船は北西に転舵している。つまり回避運動を
取っているのである。

報道では、

根室市の漁業者の間では、「北米航路」の現場海域は、大型船が頻繁に行き交う過密航路であることは
知られていた。通常、大型船と交錯する際には漁船側が進路を変えたり、エンジンを止めてやり過ごしたり
するのがほとんどという。


と書いてある。これが落石への帰港途中のことであれば、漁船側が避航するのは当たり前だ。なぜなら
両船の位置関係から法律上の避航義務は漁船側にあるからだ。事故時の海況から言って、今回の事故は
まともな見張りをしていれば絶対にあり得ない事故なのだ。そんな漁船が、たとえ汽笛を鳴らされても
警告を発せられたのが自分の船だと気づくだろうか。

事故が起こった以上、コンテナ船の側にも非はあったに違いない。しかし、それ以上に漁船の側がまともな
見張りをしていれば法律上はあり得ない事故なのだ。今、私は第三者だから漁船側を相当責めているけれど、
自分が衝突させた側だとしたら、とてもそんな風に相手を責める気にはならなかったに違いない。本当に、
コンテナ船の乗組員が気の毒だ。

考えれば考えるほど、どうすれば避航できただろう、と思ってしまう。コンテナ船は海上衝突予防法の国際版
である国際海洋法98条の「援助を与える義務(他船に対する迅速な救助活動や通報を義務として課して
いる)」違反ではないか、との指摘がされており、漁船を認識していたとすればもちろんその違反に当たる
わけだが、報道では「海上衝突予防法上の避航義務は、事故当時の両船の位置関係から見て漁船の側に
あった可能性が高い」と言う点について触れていない。これではフェアな報道とは言えない。

日本人だから犠牲者を出した日本人側に立って報道した方が世間受けはいいだろう。でも、この事故について
取材している記者は、報道を読む限り、海上交通の最も基本的なルールが分かっていない。「右側通航。
他船の左舷灯を視認した側が避航し、他船の右舷灯を視認した側は進路・速力を維持しなければならない」
と言うのは海上衝突予防法の基本ルールである。何度でも言う。南西に向かうコンテナ船と北西に向かう
操業中でない漁船が交錯した場合、衝突を避けるために避航の義務があるのは漁船の側なのである。
| SHO | 海事 | 21:51 | comments(5) | trackbacks(0) |

コメント
初めまして。
イスラエルコンテナ船から辿り着きました。
イスラエル側の行動は不可解に映るけど西村さんのブログから
それが誤解(無知、偏見)による可能性を覚えました。
海難事故、海域…、大海原の厳しさを覚えました。
これから先の話し合いで、双方に信頼関係が結ばれて益となってほしいです。

…皮膚病、知人から心身を蝕むほど辛いものだと伺っておりますが、西村さんも癒されることを祈っております。
| 勇 | 2005/10/05 12:41 PM |

勇さん、はじめまして。
ようこそいらっしゃいました。

コンテナ船の会社の対応は速かったですね。どういう解決になるか
分かりませんが、穏便な解決ができるよう願っています。

皮膚病は、もうだいぶ治ってきました。でも、まだ東京で暮らせる
ほど良くはないですね…。ご心配ありがとうございます。
| にしむら | 2005/10/05 8:50 PM |

夕方のニュースから、ZIM社の謝罪などありました。
海原での仕事は、陸で生活しているものには、到底、理解は、難しそうですね。一見、ZIM社が横暴にうつるけど、
確かにアラン・ドロー社長は、真摯に正確に受け答えしているように見えました。
狼の中の羊なのか、逆なのかは、プロとその当事者にしか分からない…。
誤解かも知れないことをニュースは、コメントして欲しいです。
| 勇 | 2005/10/07 7:38 PM |

度々すいません。ZIM社の社長は、ドロン・ゴダー氏でした。
お馬鹿な私のせいで、厳粛なニュースがお笑いのよう…。
西村氏が 訂正また削除をして下さい。
よろしくお願いします。(>_<)
| 勇 | 2005/10/07 7:47 PM |

勇さん、おはようございます。
今回のケースは、遺族側の方がよほど横暴ですね。
海上交通の基本ルールを知らないか、悪質極まりないかの
どちらかだと思います。どちらにしても罪ですよ。

遺族側が、あんなに常識のない人たちだとは思いませんでした。
同じ日本人の船乗りとして、本当に情けないです。
| にしむら | 2005/10/08 7:04 AM |

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