藍青

〜晴れ時々日記〜 SHOがつづる短歌、旅行などなどの日記です。
香川県に住んでいるバイク好きです。愛車ヤマハYZF-R6の話も、書いていきます。
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根室沖の漁船衝突事故の状況を推測する。
今回の事故は納沙布岬の南東沖で起きており、沿岸レーダーの追跡によると「大型船は納沙布岬の南東沖を
南西方向に進んでいたが、現場付近で北西方向へ針路を変えた。しばらくして再び南西の方向へ進み始め、
レーダーから消えた。」とある。この証言が正しいとなると、コンテナ船が衝突前に漁船を認識していたと
考えられる。落石漁港に帰港途中だった漁船は北西に向けて航行していたと考えられるから、この場合の
海上衝突予防法上の避航義務は漁船の側にある。

また、事故当時の海況は「現場付近は曇りで、風や波はほとんどなく、視界は良好だった」とある。その
状況で大型船のレーダーが19トンもある漁船を探知できなかったとは考えられない。情報を総合すると、
このコンテナ船が当て逃げしたのはまず間違いないのではないか。

今回の衝突事故について、コンテナ船の擦過傷は左舷側にあったという。漁船の擦過傷は右舷側にあった
既に判明しているため、つまり同航状態(両船が同じ方向を向いた状態)で衝突したと考えられる。
これは先のレーダー画像によるコンテナ船の航跡を裏付けており、両船の擦過傷もそれを裏付けている。
この場合、コンテナ船の緊急回避のための操舵方向は間違っていない。避航義務は漁船の側にあるため、
危険なほどに接近するまでコンテナ船の側は進路・速力を維持する義務がある。大型コンテナ船の進路が
北西を向いた瞬間に衝突したとすると、漁船側の見張りは全く機能しておらず「衝突して初めて大型
コンテナ船に気づいた」可能性すらある。

また、コンテナ船の擦過傷は20〜30mの長さがあるのに対して漁船の擦過傷は右舷船首から側面にかけて
存在している。このことから、小さな相対角度を持って同航状態で衝突したと考えられる。この場合、
反航状態(両船が互いに向き合った状態)で衝突した場合に比べて衝突の衝撃は格段に小さく、かつ衝突
した漁船の側にとっては容易に転覆する状況だと考えられる。漁船で唯一生き残った乗組員が「岩か何かに
乗り上げたような衝撃があった」と証言しているが、漁船は高速で航行するコンテナ船に対して小さな相対
角度を持って右舷船首から衝突し、そのまま高速で航行するコンテナ船に押しのけられるような状態で、
右舷後方から突き上げられるように傾斜し、コンテナ船に乗り上げるように転覆したのではないだろうか。
この場合、漁船が転覆したのはほんの一瞬だろう。

漁船の乗組員の証言と沿岸レーダーの追跡画像が示す衝突時の状況を総合すると、漁船が一瞬で転覆した
こともコンテナ船側が「衝突の認識はなかった」と証言するほど事故の衝撃が少なかったことも、私は
事実だろうと推測している。ただし、コンテナ船が避航動作を取らない漁船の存在を認識していたことは
間違いないのではないか。衝突の可能性のある船舶が本船と安全に航過するまで目視で確認しなかったと
言う点で、このコンテナ船に海上衝突予防法上の過失があったことは間違いないだろう。

現時点で判明している事故状況が全て正確に伝えられていると仮定すれば、今回の事故の大きな原因が
漁船側の見張り不十分にあることは疑いの余地がない。そして互いに他の船舶を視認した時点で、
海上衝突予防法上の避航義務が漁船側にあった可能性も非常に高い。漁船乗組員の家族とその同僚が
逆恨みして大型船舶に怒りを爆発させたところで、似たような事故はいつか必ず起こるに違いない。
コンテナ船が当て逃げしたことは確かに大きな問題だ。しかし、それ以前の問題として漁船側が十分な
見張りをしていなかったことが、今回の事故の直接原因ではないだろうか。

今までも、似たような事故は日本のそして世界の海のあちこちで起きているだろう。そんな事故の記事を
漁船乗組員の誰もが読んだことがないとは考えづらい。しかし報道を読んでも他人事のように考えては
いなかったか。今までの海難審判の報道から、大洋航海中の安全な避航距離は何マイルなのか漁船の
乗組員は研究していただろうか。仮に何十年の操業歴で一度も衝突したことがなくても、一生で一度衝突
事故を起こせば事故が起きる確率としては十分だ。「衝突しなければいい」と言う甘い考えの下に操船して
いるとしか思えない漁船が、私の経験では多すぎる。その認識が変わらない限り、今回と似たような事故が
今後も繰り返されることは間違いない。

いずれにしても、事件の真相究明の鍵を握るのは両船の海図とコースレコーダー、そして沿岸レーダーが
示す両船の航跡だろう。現時点では、あくまでも上に述べたことは私の推測に過ぎない。その3つを照合
してみれば、もっとリアルな事故の真相が分かるはずだ。
| SHO | 海事 | 00:42 | comments(0) | trackbacks(0) |

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