藍青

〜晴れ時々日記〜 SHOがつづる短歌、旅行などなどの日記です。
香川県に住んでいるバイク好きです。愛車ヤマハYZF-R6の話も、書いていきます。
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島田幸典歌集 『no news』
このサイトはもともと「短歌と旅行」に関する日記を書くサイトです。
音楽とか旅行の話も好きなのですが、短歌に関する記事はブログ開設
以来全く書いたことがありませんでした。

サイトのコンセプトの最初に短歌と書いている以上、さすがにそれは問題だと
思いますので、汚名返上(?)のために最近手に入れた歌集の話をしたいと
思います。

島田幸典の第一歌集『no news(砂小屋書房)』は、2003年の現代歌人協会賞
を受賞しています。現代歌人協会賞と言うのはその前年に出た第一歌集の
中から最も優れている歌集に贈られる賞で、その受賞は短歌界では大変名誉
なことです。代表的な歌や好きな歌を何首か引くと、こんな歌たちです。

先回りして黄昏ているような小春日の No news is good news!(いや、なんでもないさ!)

水面を破る背鰭の照りは見ゆ感情の機敏手にとるように

なに喰わぬ顔して猫が戻りくる角度できみのメール届きつ

あさく反る橋を二台の自転車がちがう速度で渡りゆくなり

負けかたが大切ならば冬の日を吸い込みながら閉じる噴水

眦の思いのほかに深かりと別れの際に丁寧に見き

朝曇り映す午前の水の面を背鰭に裂きて鯉は潜れり

三国が溶けつつ消ゆる頂は万年雪に覆われていつ

陽の色が微風になじむ日の暮れの旅の金沢、もう帰ろうか

あとがきの中で、著者は「『目新しいことひとつない(no news)』青年期で
あったが、そのありふれら事柄でさえ、的確にコトバで捉えたと実感できる
瞬間はごく稀にしか訪れない。生活体験の平凡さ、退屈を相殺するような、
言語体験としての新鮮さを求めて、短歌を作りつづけてきたように思う。」
と述べています。18歳から29歳までの358首を、発表順、初出形態に拘らずに
編集したそうです。

この歌集には、地名がよく出てきます。北山、淡海(おうみ。琵琶湖のこと
です)、木屋町、東京府、太田川、聖橋、富士、出町、下鴨、蛭ヶ小島、
奈良、蛤御門、金沢などなど。地名の多くに京都の地名が詠まれていますが、
現在の地名を詠んでも過去の地名を詠んでも、目に現在の景色を映しながら
意識は過去と現在を行き来しているように感じられます。歴史への並々ならぬ
知識と興味をお持ちのようです。

この歌集、惜しむらくはamazon.comで表紙の写真が載っていません。
ぜひ、表紙が載るようになってもらいたいものです。
| SHO | 短歌 | 20:32 | comments(0) | trackbacks(0) |

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